あんこと生活記録

ダラダラダメ母のキラキラしてない育児と生活

学童保育と私 1 どうやって育てたらそんなよい子に!?

さて、この私は学童保育で働いていて、小学生の子どもたちと日々触れ合って活きています。

そうすると、子どもたちには十人十色という言葉が本当にぴったりだなと思うことが毎日あるので、それを記事にしていこうと思っています。

 

第一弾は

どうやって育てたらそんなよい子に!?

です。

 

Tちゃんという3年生の女の子がいました。

この子は学童保育に登室してくるとまず連絡帳の提出やロッカーに荷物をしまうなどをさっさとこなし、宿題に取り掛かります。

当学童では登室後に学習時間を設けていて、子どもたちは必ずその時間を宿題や家庭から持ってきていたり職員が作成した学習プリントを行ったり、読書をしたりして過ごしています。

ところが学年によっては先に登室してきているため、とっくに学習時間が終わり遊んでいる子もいます。

周りに遊んでいる子がいてもTちゃんを含めた数人は宿題を黙々と行います。他の3年生でも騒いだり、宿題に手を付けない子もいる中で、です。

そのせいか、算数が得意すぎて3年生の時点で二桁同士の掛け算が余裕でできていて、下手すると三桁の掛け算すら暗算でできてしまうような賢い子でした。私は英語の宿題を教えつつ、Tちゃんに沿った例文を出したりして楽しく学習を進めていました。

 

さて、宿題が終わると自由に遊べる時間になります。

Tちゃんはこと下級生にも好かれています。なぜかというと、下級生の面倒見がとんでもなく良いのです。

そのため、Tちゃんの周りには同級生はもちろん、おとなしめの下級生が数人寄ってきます。

 

3年生ともなると、下級生から目当てのおもちゃを取りあげて遊ぼうとしたりする子もいます。自分で持ってきた文房具を貸そうという子はまれにいても、ましてやあげるなんて子は今まで見たことがありません。

 

今までは。

 

 

折り紙ケースにおしゃれなデザインの折り紙が入っていれば、下級生が「いいなあ」と欲しそうにします。他の3年生なら「あげない!」「近くに来ないで!」「見ないで!」などと言って威嚇したりするものですが、Tちゃんは「いいよ、一枚選んでね」と、たとえ下級生が選んだ1枚がTちゃんのお気に入りであったとしても快くあげてしまうのです。

 

私は前日にその1枚がとてもお気に入りで、作りたいものを決めてから大事に使う予定だと聞いていましたので、もしかしてあげなくてはいけないとTちゃんの中で強迫観念みたいなものができてしまっているのでは?と思い声をかけました。

すると、帰ってきた答えのやり取りは私を安心させました。

Tちゃん「大丈夫だよ。あの子喜んでくれたし、あのデザインが好きなのは私と同じだから、きっと同じ気持ちで大事に使ってくれるよ。折り紙はまた買ってもらえばいいんだよ」

私「買ったのはおうちの方でしょう?たくさんあげたりしたら怒られてしまわないの?」

親御さんも自分の子どもが買い与えたものを勝手に人にバンバン配ったりしていたら、それはいい気はしないでしょう。

Tちゃん「一人一枚だから大丈夫だよ。ママがみんなで仲良く遊べるのがいいから、全部使ってもいいよって言ってたから。意地悪してあげないってされたら私も嫌だし」

とのこと。

 

親御さんの優しい教育方針がTちゃんにしっかり伝わっていたのですね。

学童保育にも毎日欲しいと言いに行く子どももいなかったので、もし折り紙をやる時にはとTちゃん自身ちゃんとくくりを決めていたことも分かりました。

 

なお、Tちゃんはくるみボタンを作るセットでも同じことをしていて、さすがにそれは親御さんの確認を取りました。

親御さんも学童に持たせるものは無くなっても構わない物が多いので、やりたがる子にはぜひやらせてあげてください、とのことで親御さんのお心の広さを感じた一件でした。

 

そんなTちゃんも今やとっくに卒室していて、たまに見かけると必ず照れくさそうにご挨拶してくれます。

先生は貴女の将来もとても楽しみです。

 

 

 

□■□学童と私シリーズ□■□

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